7月3日より上演される舞台『蒲田行進曲完結編 銀ちゃんが逝く』の取材会が浅草花劇場で行われた。同作品は昨年11月に行われたものの再演となるが、連続登板となった演出・出演の錦織一清、主演の春田純一、大下順子に加え、今回から加わるキャストの清家利一、渋谷天笑、神尾 佑が登壇し、それぞれが意気込みを語った。
春田純一(倉岡銀四郎役)
「『銀ちゃんが逝く』というのは、30年前に新国立劇場でつかさんの演出でやったものなんですが、それにも私は出てまして、 30年ぶりに去年 また『銀ちゃんが逝く』をやって、新国立が初演とすればこれが再再演です。この『銀ちゃんが逝く』で私は銀四郎なわけですが、最後にこの階段落ちっていうのがあるんですね。『蒲田行進曲』の映画とかではヤスが落ちるんですけど、7年後の話なんで、今度は銀ちゃんが落ちるっていう話なんですが、階段落ちを、本当に階段を作って落ちたいと。そしたらニッキが「死にますよ」と。「いや、昔はスタントマンなんで大丈夫なんだ」と いったものの、去年、毎回毎回落ちるっていうのが本当に大変で。また今回も 階段落ちしなきゃいけないかと思うと、ちょっとね、嬉しいような、不安やら、いろいろな心境ですが。今回はパワーアップして、もっと深い作品になっておりますんで、そこを見ていただいたら よろしいかと思います。よろしくお願いします」
大下順子(村瀬小夏役)
「前回も私が大学生の頃に見ていたつかレジェンドの方々がいっぱい出てらっしゃって、本当にもう現場にいてもドキドキすることばっかりだったんですけど、 今回また清家さんはじめ神尾さんとか、レジェンドが増えて、すごい濃い作品になっていて、私はもう本当、演じさせていただきながら、ちょっと楽しませていただくっていう感じです。 観客の皆さんと同じような気持ちで、舞台上で皆さんを見ているという感じなんですけど、また前回より面白くなってますので、皆さん、ぜひそういうところもお楽しみください。よろしくお願いいたします」
清家利一(Aキャスト:赤川金太役/Bキャスト若山馬之助役)
「赤川金太をやるつもりできました清家利一です(笑)。ところが、稽古2日目くらいに春田さんから「清家、若山もやってくれ」って言われて。なぜかABキャストをやることになりました。ちょうど30年前にやった作品なんですが、最近僕はもうずっと舞台を やらないと決めていたので、もう絶対出ないと思ってたんで。でも、去年の暮に春田さんから電話かかってきて、 『銀ちゃんが逝く』をやるからお前がやったやつ、やってくれよって言われて、つかさんの口調みたいに突然言われて(笑)。しょうがない、先輩から言われたから、まあ区切りだし やろうと思って、今回参加させていただきました。久々にこの春田さんとゆうじ(=神尾 佑)と、 他にもつかさんのところで一緒にやったメンバーと懐かしみながら頑張りたいと思いますんで、よろしくお願いします」
渋谷天笑(佐藤役)
「本日はお忙しい中ありがとうございます。私は先日まで大阪で錦織さんに演出していただいて、『熱海殺人事件』を6月30日までやっておりまして、 今日から稽古に合流させていただきました(笑)。そして明日、公開ゲネプロをやって、で、明々後日が本番という。不思議な(笑)。そんな中ここで挨拶してるっていうのもおかしな話なんですけども ね。さっきおっしゃってましたレジェンドの方ばっかりで、先ほどちょっと稽古させていただいたんですけども、やっぱりちょっと緊張してて、『うわ、どうしよう」と思ったんですけど、もう諦めました。精一杯この公演を楽しんでいこうと思います。そんな私の楽しんでる姿、ご覧いただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします」
神尾 佑(中村屋喜三郎役)
「僕もですね、この30年前の初演に出させていただいて、それが実はデビュー作というか、 1番最初につかさんの作品に出させていただいたものなんですけど、それがちょうど北区つかこうへい劇団の1期生で僕が入りまして、その1年目の秋にある日突然つかさんに呼ばれたという本当に思い出深い作品でして。でも、清家さんと一緒ですけど、昨年この 作品をやった時に ナレーションやってくれないかって春田さんに突然言われて。で、ナレーションだけやらせていただいて。その後飲みに行ったら、『あきら(山本亨)が来年出れないんだけど、お前空いてるよね』って言われてもう半強制的に(笑)。でも本当に僕にとって思い出深い 作品でして、今でもこう稽古しながら、つかさんのあの時の声が蘇ってくる。ずっと稽古しながら、もう染み付いたものがまたこう呼び起こされてきたような感覚があります。 その時の役とは違うんですけど、その時の中村屋は春田さんがやってらっしゃって。で、 その役を僕がやらせていただくっていうのもすごく、いろんな思いがありますが、怪我のないように最後まで頑張りたいと思いますんで、よろしくお願いいたします」
錦織一清(演出/医者役)
「先ほど天笑さんが言った通り、本当につい最近まで大阪のほうで『熱海殺人事件』をやっていて。この夏、僕ら2人で『つかさん祭り』をやってる感じがするんですけども(笑)。
皆さん同様に僕も2年ぐらい前ですかね、去年の公演出させていただいてるんですけど、それも春田さんから直接ご連絡いただきまして、演出という話をいただきまして。『出るのはほんのちょっとだから、なるべくニッキに負担のないようにするから』って言われたんですけども、医者っていうほんとに ややこしい説明台詞しかない役です。長く喋っても決して報われることがない(笑)。考えてみたら、春田さんは全部直談判です(笑)。でも去年僕も階段落ちのシーンとかは舞台上にはいなかったんですけども、袖から見させていただいて、毎日毎日春田さんが落ちてくる。それで春田さん、楽屋でも決して痛いとか言わずにやってるのに、すごくなんか男気を感じたというか。僕は去年思ったのが、今年やる時ってのは、春田さんが最後この階段を上っていくんですけども、演劇的には 一段一段上っていく、その階段の一段一段だったな、僕たちは、と思う。それで、今回は春田さんには最後に僕らの思いを背負って落ちていただきたいなと思っております。
僕は演出なんですけど、つかさんの芝居っていつも思うんですけども、本当に演出家が活躍の し甲斐がないというか、本が素晴らしいんで、演出力とかそういうことよりは、本をいかに大事にして、 ミュージカル的にこういうもので見せるとか、アクション的にこうだとかいうギミックのことをあまり使わなくていいシンプルなお芝居だなってのは、本当につくづく感じてて。僕は『 蒲田行進曲』でお世話になったとき、春田さんにも、清家さんにもゆうじくんにも、すごく僕、いろんなことを教えていただいて、助けて いただいた。その助けていただいた方たちがいる中で、前回もそうですが今回は僕が助けにならなきゃいけないなと思ったんですけど、僕は助けながら、助けられながら演出をしているような感じまでありました。なんか本当に天笑さんとは連続つかさんの作品なんですけども、残してくれたもので、多分、 つかさんに見てもらうというか、僕たちがそのつかさんの作品を残してくれた台本を使って、本当に辛いんですけど、心から、この短い期間ではありますけども、楽しめたら、なんかつかさんに 届けられるものがあるんじゃないかなと思って、そんなつもりで最後まで頑張りたいと思います。ありがとうございました」
続いてマスコミに公開された最終通し稽古では、冒頭で錦織と春田が、歌を歌いながら客席の間を練り歩いて登場するようなシーンもあるなど、前回からは随所に変更がみられ、「より深く、よりパワーアップ」の言葉通りの舞台が展開していく。
錦織は、今回の舞台について
「去年よりまたさらに懐かしい顔ぶれになったと。僕の中でもそうなんですけども、そのノスタルジーっぽいものが出てるような 気もするんですよ。それがパワーアップに繋がるかは分からないんですけども、そういったリズム的なものが、あの当時のつかさんの素朴な感じに、ちょっと近づいたのかなっていう感じがします。当時のものを見られた方にも、また楽しんでいただけるんじゃないかと思っています」と語っている。
【公演概要】
「蒲田行進曲完結編 銀ちゃんが逝く」
原作/つかこうへい
演出/錦織一清
脚本協力/菱田信也
制作/春錦匠の会
◆あらすじ
銀幕のスター倉岡銀四郎(春田純一)との子を身ごもった人気女優の小夏(大下順子)。
小夏とその子を押し付けられ結婚したヤス(吉田智則)は、出産費用のために危険な「池田屋階段落ち」に挑み成功する。その数年後、銀ちゃんと小夏の子・ルリ子が不治の病に冒された事を医者(錦織一清)から聞いた銀四郎は、運命を変えるべく「函館・五稜郭の石の階段落ち」に挑むのであった。
◆出演者
春田 純一(倉岡銀四郎)
大下 順子(村瀬小夏)
吉田 智則(村岡安次)
清家 利一(Aキャスト:赤川金太/Bキャスト:若山馬之助)
武田 義晴(監督)
友部 康志(のぶ太)
渋谷 天笑(佐藤)
喜多川 2tom(ツトム・殺陣)
植村 喜八郎(Aキャスト:大部屋・殺陣/Bキャスト:赤川金太)
野島 匡矢(マサヤ・殺陣)
平 健二郎(大部屋・殺陣)
貴山 侑哉(若山馬之助) *Aキャストのみの出演
神尾 佑(中村屋喜三郎)
堀田 眞三(祖父)
錦織 一清(医者)
◆場所
浅草 花劇場
〒111-0032 東京都台東区浅草2-28-1
電話:03-6802-8780
https://www.hanayashiki-kagekijo.com/
◆公演日程2024年7月
3日(水) 公開ゲネプロ公演 18時30分
4日(木) 18時30分
5日(金) 13時・18時30分
6日(土) 14時
7日(日) 13時・※18時30分 (スペシャル・ゲスト:西岡徳馬)
8日(月) 休演日
9日(火) 18時30分
10日(水) 18時30分
11日(木) 13時・18時30分
12日(金) 14時
◆チケット一般発売
https://eplus.jp/ginchan2024/
一般 8,500円(税込・ワンドリンク付き)
※ゲネプロ公演 6,500円(税込・ワンドリンク付き)
※未就学児童入場不可
◆公演特設ページ
https://fanicon.net/promotions/73
★アフタートークショー 決定!
※司会:渋谷天笑(全日程)
●7月4日(木) 18時30分 <春錦匠の会>
春田純一
錦織一清
大下順子
●7月5日(金) 18時30分 <特撮&戦隊Day>
春田純一
清家利一
植村喜八郎
喜多川2tom
神尾佑
堀田眞三
●7月7日(日) 18時30分 <ゲスト:西岡徳馬を囲む会>
西岡徳馬
春田純一
錦織一清
大下順子
●7月9日(火) 18時30分 <ABキャストDay>
春田純一
錦織一清
貴山侑哉
清家利一
植村喜八郎
●7月10日(水) 18時30分 <つかこうへい命日・集まれ!つか職人>
春田純一
錦織一清
吉田智則
武田義晴
清家利一
友部康志
神尾佑
●7月11日(木) 18時30分 <殺陣Day>
春田純一
錦織一清
清家利一
植村喜八郎
喜多川2tom
野島匡矢
平健二郎
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