2025年8月23日、東京・サンシャイン劇場で舞台『あの夏、君と出会えて〜幻の甲子園で見た景色〜』が初日を迎えた。本作はコロナ禍で甲子園への夢を絶たれた元高校球児が、戦時中の昭和17年にタイムスリップ、戦時下で一度だけ開催された“幻の甲子園”を背景に、時を超えて出会う若者たちの青春と絆を描くストーリー。初日に先立ち、囲み取材と公開ゲネプロが行われ、キャストの藤井直樹さんをはじめ、岡﨑彪太郎さん、永井大さん、宮地真緒さん、前島亜美さん、校條拳太朗さん、福室莉音さん、生田俊平さん、佐野遥喜さん、小川丈瑠さん、琥城雄太さん、そして演出の木村弥寿彦さんが登壇。作品への思いや舞台裏のエピソードが語られた。
藤井直樹、野球未経験から“剛速球ピッチャー”へ⁉
本作で現代から昭和へタイムスリップする大学生・森下令児を演じる藤井直樹さんは、実は野球未経験。囲み取材では「最初はボールが真下に落ちるほどだった」と笑いながら語ったが、その裏には並々ならぬ努力があったよう。
稽古では元プロ野球選手・今成亮太さんの指導のもと、フォームの基礎から徹底的に学び、キャスト仲間たちとキャッチボールを重ねた。藤井さんの上達ぶりは目覚ましく、今では舞台上で堂々とした投球フォームを披露している。
監督役の永井大さんも「最初はどうなるかと思ったけれど、日に日にフォームが様になってきて、ピッチャーとしてもかなり迫力ある姿になっている」と太鼓判を押す。藤井さん自身も「野球の面白さを知ることができて嬉しい。仲間たちに支えられて、少しずつ形になってきた」と語っていた。
今作が初共演のふたり
今作が初共演となる藤井直樹さんと岡﨑彪太郎さんだが、囲み取材では、キャスト陣の仲の良さも印象的だった。
「みんなでバットとグローブを持って、電車とバスで練習場に行った時、まるで部活をやっているような気分になった」と語る藤井さんに、「野球部員がみんな仲が良くて、今から地方公演の部屋割りを修学旅行みたいに話し合ってるくらい」と岡﨑さん。チームワークはバッチリだ。
実は岡﨑さんも野球は未経験だったが、「テニスをやっていたので、道具を振ることは自然とできた」と語る。フォームの習得は比較的スムーズだったものの、「みんな藤井ちゃんにかまってる(笑)」と苦笑する場面も。すると藤井さんが「僕がやってると、こたちゃん(岡﨑)が来て、ブンッって試しに投げると、みんながお〜ってなるので悔しいです(笑)」と返し、稽古場での微笑ましい様子も垣間見えた。
夢を追うことのすばらしさ
本作の演出を手がける木村弥寿彦さんは、「戦時中でも野球をしたいという若者たちの思いが、コロナ禍で甲子園を断念した高校生たちの姿と重なった。環境は違っても、夢を追うことの素晴らしさは変わらない。それをこの作品で伝えたい」と語る。
舞台の初日が甲子園決勝の日と重なったことも、キャストたちにとって特別な意味を持つ。藤井さんは「甲子園に行ったとき、空が抜けるような感覚とエネルギーを感じた。その思いに負けないように舞台に臨みたい」と語り、岡﨑さんも「高校球児たちの思いを感じながら演じたい」と力強く語った。
戦後80年、高校野球110年の節目に届けられるこの作品は、過去と現在をつなぎ、夢を追うすべての人にエールを送る舞台だ。
【公演概要】
松竹創業百三十周年「あの夏、君と出会えて~幻の甲子園で見た景色~」
スタッフ
作:羽原大介 演出:木村弥寿彦
出演
藤井直樹 岡﨑彪太郎
前島亜美 福室莉音/生田俊平 佐野遥喜 小川丈瑠 琥城雄太
校條拳太朗 宮地真緒 永井大
公式サイト
https://www.shochiku.co.jp/play/schedules/detail/2508_sunshine_anonatsu/
★東京公演
会場 サンシャイン劇場
日程 2025年8月23日(土)~31日(日)
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