錦織一清さんが、構想に20年を費やし、自ら脚本・演出を手がけた作品で、2020年の初演から4年連続での上演で(配信のみの上演を含む)さらなる進化を遂げる舞台『サラリーマンナイトフィーバー』が、いよいよ2月4日に初日を迎えます。
今回、錦織は新たに「人格者」と呼ばれるホームレスの役に挑戦、東京での舞台出演は2017年10月以来となることでも話題になっています。
前日の2月3日に公開ゲネプロ(通し稽古)と、囲み取材が行われました。
錦織一清さんをはじめ、出演の渋谷天笑さん、舞羽美海さん、惣田紗莉渚さん、アンジーひよりさん、そして純名里沙さんの6人が登壇。それぞれ待望の東京公演にかける意気込みを語りました。
囲み取材は、登壇した6人の挨拶からスタート!
〇作、演出の錦織一清
「すぐそこの両国にある本所松坂亭という小さい劇場でやっていた舞台が、去年はずっと地方公演をして最後に大阪松竹座と回って参りまして今回隅田川を渡って、やっと日本橋に来たなとすごく感慨深いものがあります。今回初めて、製作側にも回らせていただいておりまして、キャストの皆さん、スタッフの皆さんに助けていただきながら、初めての経験、いい経験をさせていただいております。きっと楽しい作品になると思いますので、よろしくお願いいたします。」
〇主人公のサラリーマン広瀬役、渋谷天笑
「初めて錦織さんに演出をしていただいたのはこの三越劇場で、それ以来錦織さんの演出でまた三越劇場に帰ってくることができ、そして私が主演をさせていただくということに、すごく喜びを感じております。 この「サラリーマンナイトフィーバー」は、私の自主公演から始まった舞台でして、それが今回は錦織さんのプロデュース公演でやることができて、本当に幸せなことです。この愛すべき「サラリーマンナイトフィーバー」はたくさんの方に見ていただきたいですし、 皆さんにも愛していただきたいと思います。」
〇広瀬の妻、亜衣子役の舞羽美海
「広瀬が天笑さんになったことで、やっぱり家族の形も全然また変わって、新しい「サラリーマンナイトフィーバー」になったなと思いますし、キャスト同士の信頼がすごくしっかりできているので、舞台上で楽しみながら、お客様にも楽しんでいただけるように頑張ります」
〇広瀬の娘の女子高生ユキナ役の惣田紗莉渚
「私はこの三越劇場が初めてなんですが、本当は2022年に錦織さんの『毒薬と老嬢』で立つ予定でしたが中止になってしまったので、こうやって錦織さんプロデュース公演で、リベンジを果たした気がして、すごく嬉しいです。このお芝居は愛がテーマになっていて、やっぱり一番大切なのは愛だなって感じながらお稽古してきたので、これからの公演でもたくさんの愛を皆さんに届けていけるように頑張ります」
〇女子高生、亜留美役のアンジーひより
「等身大の役を演じさせていただくので、お仕事で疲れている皆さんを現役高校生のパワーで元気にしたいと思います。よろしくお願いします」
〇バーのママ役の純名里沙
「皆さんおっしゃっていたように、この公演は昨年から地方を回って、本当に仲のいいカンパニーで楽しく参加させていただいてます。いつしか私は女性の中で1番お姉さんになったんで、お姉さんぽくしなきゃとは思っていたんですけど、逆にみんながしっかりしてて、すごく頼らせてもらってます。お芝居に関しては錦織さん肝いりの作品ということで、通し稽古で初めてすごく間近でお芝居を見させていただいたときには、こういうことなんだって次々と自分の中に走るものがありまして、私も毎回毎回心を込めて、楽しんで舞台に立たせていただけたらなと思っております」
●最後にもう一度、人格者役を演じる俳優・錦織一清から一言
「数年前にここでテレサ・テンさんの曲を使った舞台を演出させていただきましたが、僕自身、役者としては、この三越劇場の板の上を踏むというのが初めての経験でして、ステージ側から客席を見た感じの、すごくお芝居のやりやすさというか、いい劇場だなって改めて感じています。9日間と短い期間ですし、本当にワンシーンですが、皆さんと一緒に、楽しく、日々を過ごせたらいいなと思っています」
そして続く質疑応答では、
前回までの公演を踏まえて、今回心掛けていることや変えていこうと思うことはあるか、という質問に登壇者全員が答えました。
〇錦織一清
「実際前回の公演が良かったからその通りにやろうと思っても、芝居は生ものなので絶対に同じにはならないのが面白いところ。今回は本当に違うものになりまして、前回はいなかったけれど小劇場の時にいた登場人物をまた戻したりして、その分新しいものをつくっています。場当たりで自分の出ていないところを客席で見て、だんだんこの舞台にビンテージ感が出てきたみたいに感じています。後はその深みがお客さんに伝わるかどうかなんですが、僕の中でしみじみ感じられるところがあったんで、新しいものに生まれ変わっていると思っています」
〇渋谷天笑
「私は、初演、再演と広瀬を演じて、前回は飯脇という役をやらせていただいて、傍からこの広瀬という役を観させてもらって、いろいろ考えもあり今回臨むわけですが、やはりこの再演というものの恐怖をちょっと僕は感じてまして。再演だからといって前の通りできるわけもなく、僕がまた役は変わっているので、皆もそれぞれ変わっていって、これは完璧な再演ではないんだなというのはひしひしと感じてます。でも今回はこのメンバーで楽しみたいなと思っています」
〇舞羽美海
「大阪松竹座のときに、錦織さんにアドバイスをいただいて、また今回もいただいたので、それを自分の中で挑戦したいなっていうところと、とにかく私が演じる亜衣子としては、本当に愛を持って、 家族を愛し抜きたいと思います」
〇惣田紗莉渚
「気持ち的にも変わったこととか、心掛けていることはあるんですけれど、初演のユキナがおかっぱ頭だったので、私も今回髪の毛を15センチくらい切って、そういう見た目でも新たな気持ちで今回は臨みたいなと思っています」
〇アンジーひより
「前回までは一言一句間違えずに読もうとか、 うまくなろうという気持ちでやってた部分もあるんですけど、再演が決まってお稽古をしていくうちに、セリフを言ってない時の感情とか、このセリフは錦織さんがどんな思いでつけたんだろうと、台本をもう1回読み直しました。高校生らしい素直さと初心を忘れずに再演を頑張りたいなと思っています」
〇純名里沙
「舞台はお客様がいらしてくださってこそ成立するものだと思ってますし、毎日毎日違うお客様と、私のセリフをどう共有できるかなと、すごく大切に演じさせていただきたいと思います。今回は渋谷天笑さんと、相手役が変わりまして、とっても楽しみです。まだ、明日が初日ですけどもどうなるのか、自分自身ワクワクしています」
そして最後に、まもなくやってくるバレンタインデーにちなみ、これまでもらった最大のチョコレートの数を尋ねられた錦織一清が、
「どうでしょうね。僕らのファンクラブにトラックで来たとかいう話は聞いたことがあるんですけれど、チョコレートだけじゃなくていろいろなプレゼントも入っていたから、チョコレートの数は定かではないんですが、トラックに何台分か、そのうちほとんどが植草とヒガシの分だったと思うんですけど、僕はそれに便乗しただけですから。でも、この芝居2月12日に終わっちゃうんで、14日までやったらよかったなって思います。失敗したな」
と答えて、場内を笑わせていた。
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