上戸彩さん、高良健吾さん主演の映画「武士の献立」が舞台化され、11月9日から17日まで草月ホールにて上演されます。
加賀藩の台所を預かる武家に嫁いだ料理上手な女性と、その周囲の人々の家族の絆などを描くストーリー。
この舞台版「武士の献立」は、香りと生演奏で空間演出をする演劇では珍しい「4Dシアター」となることでも話題の作品です。
この作品について、脚色と出演、さらに<醤油版>の演出も手掛ける野口大輔さんにお話を伺いました。
舞台化までのいきさつ
もともとは映画の脚本を書かれた柏田道夫さんが、本作ではなく同じく彼が脚本を手掛けた映画「武士の家計簿」の方をミュージカル化したいということから僕のところにお話が来たのですが、それはすぐに実現できそうにないということになり、ならばまずこの「武士の献立」をミュージカルではない普通の演劇として上演しようということになりました。映画の配給元である松竹さんも快諾してくれました。これで土台ができたら、本作のミュージカル化も考えています。
香りの演出もある、料理をフィーチャーした芝居
「武士の献立」っていうくらいですから料理の話になります。僕も映画を拝見して、結構料理をフィーチャーしてるから、じゃあこれをどう舞台で描くのか。 スクリーンで見る映像なら料理を作ってるところをアップにしたっていいですが、舞台ではお客さんとしてはすごく引いた目線で見るわけですよね。そんなことを、ちょうど料理屋さんで食事をしながら話をしてたんですよ。それで、僕たちが普段生きてて ご飯を連想するのって、音だったり、香りだったりで連想するから、なんかそういうアプローチをお客さんにできないかな、ということになりました。それから「嵐」のコンサートでポップコーンの匂いを充満させたという話をきいたので、その会社に問い合わせて、「たとえば出汁の香りとか、象徴的な匂いを客席に出せませんか」と相談したところ、 可能だということでした。 じゃあ、普通舞台は視覚だけですけど、より立体的に、嗅覚、聴覚、視覚と五感を刺激するような取り組みで、舞台をやりましょう、というので始まったという感じです。
子供無料招待、そして被災地支援
今回の作品は、文化庁の子供 舞台芸術観賞支援事業になっています。(=6歳~18歳以下のお子様を無料でご招待)お子さんに食育という意味と、毎日の献立とともに、家族にも歴史があった、というのが映画のときからのテーマになってる ので、見に来てくださった方に、料理だったり、家族のあり方だったりを考えてもらえるような作品のメッセージを舞台版でもしっかり表現したいなと思っています。
また、 間接的な被災地支援といいますか、今回舞台で使ってる小道具なんかは普段だとレンタルすることがほとんどなんですけれど、加賀塗りのお椀は、震災や大雨があった能登で、「つなぐおわんプロジェクト」という、子供たちが被災地からピックアップして綺麗にしたものを販売してるっていうものがあって、そこから購入しています。また劇中で使う食材についても、震災で壊滅的な被害を受けた七尾市にある「鳥居醤油店」さんの醤油をまとめて購入して、それをお客様にプレゼントしたり、舞台上に出ているサツマイモなんかの加賀野菜も現地の農家さんを紹介してもらって購入して使っています。それもロビーでお客様に袋に入れて持って帰ってもらえるようにする予定です。その他にも加賀塗りのお椀を現地の人が来て販売もします。なんかこの作品の収益の一部を義援金に、というよりも、それはもっとひっそりやればいいなと思っていて、実際舞台で登場するものに、加賀の息吹を持ってるものがある。それが間接的に現地の応援になるんだったら、それはなんかいい取り組みなんじゃないかなと思って、今回はそういう風にやってます。
<開催概要>
舞台版「武士の献立」
会期 2024年11月9日(土)〜11月17日(日)
場所 草月ホール
公式サイト https://bushinokondate-stage.themedia.jp/
*チケットは公式サイトのチケットページから
*お子様ご招待 6~18歳以下の無料ご招待
(小学生は同伴者必須、未就学児不可)
脚本 柏田道夫
脚色 野口大輔
演出 野口大輔(醤油版)、田中寅雄(味噌版)
語り部 池上季実子(醤油版)、名高達夫(味噌版)
出演 惣田紗莉渚、井澤巧麻、和泉元彌、戸張美佳 ほか(醤油版)
市川美織、谷水 力、黒岩 徹、藤田よしこ ほか(味噌版)
<特集1>醤油版主演の惣田紗莉渚さんインタビューはこちら
https://tokyofun.themedia.jp/posts/55732505
0コメント