舞台「星の流れに」稽古場取材① 主演・惣田紗莉渚さんインタビュー (動画あり!)

2025年11月18日より赤坂RED/THEATERにて、戦後の焼け野原から人々が立ち上がる姿を描く舞台『星の流れに』が上演されます。主演は、舞台を中心に活躍の場を広げる惣田紗莉渚さん。これまで戦時中を題材にした作品への出演も多い彼女ですが、今回は「戦後」を舞台にしたこれまでにない役柄への挑戦。そして初の単独主演、座長を務めます。

脚本・演出を手掛けるのは羽原大介さん。これまで羽原さんが脚本を手がけた作品にはたびたび出演してきた惣田さんですが、羽原さんが演出を務める“羽原組”の舞台に立つのは今回が初めてです。初日を目前に控えて絶賛稽古中の惣田紗莉渚さんにお話を伺いました。

(ページの最後に動画コメントあり)

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Q:タイトルの「星の流れに」は昭和の流行歌に由来しますが、この曲をご存じでしたか?

惣田:知らなかったんですけど、この作品に関わることになって聴いてみて、すごい引き込まれる曲だなって思いました。「こんな女に誰がした」っていう歌詞があって、なりたくてなったわけじゃないけど、食べるものがなくて、生きるのに必死だった女性の話なんですよね。家族のため、仲間のために精一杯生きようとしていた女性の姿がすごく伝わってきて、作品のテーマにぴったりだと思いました。

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Q:演じる役柄・小松川 渚について

惣田:戦争で親を亡くして、妹のため、仲間のために夢を持って生きる女性です。戦後の大変な時代で、夢がないと逆に生きられなかったというか、どん底を経験しても諦めずに何度も立ち上がる。誰よりも家族と仲間を思ってるんだけれど、自分に素直になれない、ちょっと頑固なところもある女性です。私からすると、すっごくかっこいい。でも、生きづらいだろうなって。真っすぐで優しいんだけど、もうちょっと器用にやればいいのにって思うような人。班長みたいに皆をまとめる立場で、私自身はそういう役回りが得意ではなかったんですが、この明るさと前向きさがあったら班長ってすごく楽しいだろうなって感じました。

Q:羽原大介さんの演出、“羽原組”について

惣田:『未来紀の番人』(2021)で羽原さんの脚本の作品に出演させていただいたのですが、凛とした巫女の役でした。その時に「真っ直ぐな芝居が良かったから、またご一緒したいってずっと思っていた」と言っていただいて。私にとっても忘れられない作品で、そこから『カルメン故郷に帰る』でも羽原さんにお世話になって、羽原組は何度も客席から観に行ってたんです。今回、ようやく出演できて本当に嬉しいです。

羽原さんの演出は初めて受けるので、稽古ってどんな感じなんだろうと思っていたんですけど、すごく自由にやらせてくださる一方で、大事なところはしっかり締めてくれる。怖いのかなって勝手に緊張してたんですけど、全然怖くない(笑)。優しく教えてくださいます。現場の雰囲気もすごく良くて、純粋で熱い人が多いから、毎回同じ通し稽古にならない。もう10回くらい通してますけど、毎回違うんです。ですから、何度見ても楽しめると思います。 

 Q:戦争が絡んだ作品への出演も多いですが、今回戦後を描く意義について

惣田:戦争絡みの作品は5本目くらいなんですけど、今までは戦時中が多かったんです。「トリッパー遊園地」、「あゝ同期の桜」を2回、長崎で原爆の作品もやらせていただいて。逆に「戦後」は初めてで、全然違うんだなって。焼け野原になって、日本が負けて、そのあと人々がどう生きていったのか。戦災孤児のこともたくさん調べました。重たい話だと思われるかもしれないけれど、それ以上に、その中でもがいた人たちの姿が愛しくて、切ないけど素敵なんです。観に来てくださった方が「頑張ろう」「精一杯生きよう」って自然と思える作品になっていると思います。


---芝居を続けてきて良かったと心から思える作品


Q:ご自身が考える、物語の見どころについて

惣田:実はこの舞台は、刑務所に入っているところから始まるんです。ファンの方のイメージにはなかったと思うんですけど、ひとつ吹っ切れた女性というか、何やってもうまくいかなくて、夢もいっぱいあったのにダメで、刑務所にまで入ってしまった。でも家族のために立ち上がる。その姿に私自身もすごく勇気をもらいます。ダンスシーンもあって、セクシーだったり可愛かったりする振り付けが楽しいです。幼馴染役の久留飛雄己さんとのシーンは、毎回感情がジェットコースターのよう。やっていて「お芝居、続けてきてよかったな」って心から思える作品に出会えました。また衣装も華やかで、女性7人組それぞれがカラフル。ターバンやヘアバンド、リボンなど当時の感じをみんなで研究して、テーマカラーもあって、舞台上がパッと華やぐと思います。


 Q:座長をつとめる心境は?

惣田:実は単独で主演させていただくのは初めてで、絶対にいい作品を届けなきゃって責任をすごく感じましたし、不安もありました。でも稽古場に入ると、そういう“主演である”って意識をいい意味で忘れて、皆とシーンに没頭できるんです。カーテンコールで「あ、主演だった」と思い出すくらい(笑)。座長として頑張るのはもちろんですが、全員で作る舞台がやっぱり楽しい。普段の私はリーダータイプじゃないんですけど、皆に「ついていきます」って言ってもらえて。言葉で引っ張るのは苦手だから、誰よりも一生懸命頑張る姿で真ん中に立てるようになりたいです。


Q:今後の目標は?

惣田:もともと舞台が好きで、今年は6本目なんですけど、映像にもチャンスがあれば挑戦したいなと思っています。大河ドラマや朝ドラとか、そういうのに出られるようになったらいいなっていうのはありますけど、そういう目標でなければ、やはり、いい芝居ができるようになりたい。年齢に合わせて母親役とかもやっていけるようになれたらいいなと思っています。現状に満足せずに、チャンスを掴めるように頑張ります。

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Q: 観客へのメッセージをお願いします

惣田:渚を演じながら、好きなものを食べられて、好きな服を着られる日常に、あらためて感謝しなきゃって思いました。家族や周りの人への思いももっと強くなって、人への気持ちを再確認できる、愛にあふれた作品です。

この舞台は、配信はなく、劇場でしか観られません。生のお芝居の一体感をぜひ感じてほしいです。愛にあふれた作品を届けられるよう、座長として精一杯頑張りますので、ぜひ劇場に足を運んでください。

<公演概要>

羽原組 戦後80年スペシャル『星の流れに』

作・演出:羽原大介

主演:惣田紗莉渚

期間 2025/11/18 (火) ~ 2025/11/24 (月)

劇場 赤坂RED/THEATER

Story

昭和23年、東京上野

誰もが生きるのに必死だった時代、着る物、食べる物、住む家も失った絶望のどん底で、

夜空の星を見上げ、夢を諦めなかった人たちの物語。

「もう普通じゃないアタシらが、もう一度人間らしく生きる為、幸せに生きる為には普通のことをしててもダメ。

この焼け跡にアタシらの為のアタシらの国、独立国を作ろう!」

ーキャストー

惣田紗莉渚

久留飛雄己 伊藤わこ 安孫子宏輔 しるさ 浦島三太朗 十河茉由 田久保宗稔 

永山愛理 古田小桜 ランディ井上 百瀬うか 小島優花 Toshie  古賀豊 

ースタッフー

振付=古賀豊/舞台監督=逸見輝羊/照明=大場正之/音響=山本能久/音響操作=平野美羽/制作=伊藤沙耶/宣伝美術=鈴木めぐむ/HP=田久保宗稔/衣装=藤田美歌子

企画製作=チームハバラ

公式サイト https://www.team-habara.com/stage

Corichチケット

https://ticket.corich.jp/apply/392102/

◆動画コメント

東京FUNコンシェルジュ   Scopri Tokyo

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