キムラ緑子が「ブギの女王」に扮する！ 舞台「わが歌ブギウギ ー笠置シヅ子物語ー」取材会レポート

11月17日に行われた舞台「わが歌ブギウギ－笠置シヅ子物語－」の取材会に、主演のキムラ緑子さん、松村雄基さん、林 翔太さん、補綴・演出の齋藤雅文さんが登壇しました。戦後の大スター笠置シヅ子の生涯を描く音楽劇は、2026年1月2日から三越劇場で上演されます。

「一瞬で部屋がぶわっと明るくなった感じ」主演・キムラ緑子さん（笠置シヅ子役）

「去年の2月ぐらいにNHKの控室でマネージャーさんから、笠置シヅ子さん役が決まったと言われて。部屋の雰囲気がぶわって明るくなったっていう感じでした。一瞬で光が私に差したみたいで、すごい嬉しかった」と笠置役のオファーを受けた瞬間を振り返りました。

役作りについては、「実際に生の笠置さんの音楽を聴いて、舞台を見た方々に立て続けにお会いして、すごいエネルギーをいただいた人がいることを実感しました。絶対に私にはないものばかりなので、その方々の思いを裏切らないように頑張りたい」と意気込みを語りました。

また、先月笠置さんの生誕地・香川県東かがわ市を訪れたそうで「私は近くの淡路島出身ですが、風景がよく似ていて、同じ匂いがするところだなっていうことがすごい嬉しかったです。資料館では笠置さんが書かれた手紙を見て、最後までぶれることなく丁寧に心を込めて書かれてるのがよくわかりました」と感慨深げに語りました。

そして「お正月ですし、皆さんが華やかな明るい気持ちで劇場に来てくださると思うので、年始めにいいの見たな、楽しくなったなって言ってもらえるようなお芝居をみんなで作っていけたらと思っています」とメッセージを送りました。

「観客に温かい気持ちや笑顔を届けたい」松村雄基さん(服部良一役)

「服部良一さんの役ということで、そんな役をやる年になったのかなということと、プレッシャーしかありませんでした」と率直に語った松村さん。

服部良一が復員後に語った言葉に深く心を動かされたといいます。「『幸いにして命を取り留めたのだから、これからは何もかも失った人たちのために、いい歌、いい曲を作っていこう』と笠置シヅ子さんと言い合うシーンがお芝居の中にもあります。音楽というのは国境もないし、人種もないし、人の心に勇気や希望や喜びを与えてくれるものだと」

「僕ら役者もそうですけども、生きることって辛いことが多いけれども、まんざら悪いことでもないよって、みんなで笑顔になりましょうよみたいなメッセージが、表現することの中に入っているような気がします。服部さんの思いをしっかりと胸に秘めて、見てくださるお客様に温かい気持ちやら笑顔やら、元気になっていただけるような作品にしたいと思ってます」と力強く語りました。

「緑子さんの専属恋人役になれるよう頑張りたい(笑)」林翔太さん(花森英介役)

「最初聞いた時、本当にブギウギなのかなって、ちょっとドッキリかなって思ったぐらいでした」と林さん。「でも役どころを聞きましたら、緑子さんと激しい恋に落ちるという役ということで、前回ご一緒させていただいた時も恋人役だったので、今回の作品を通して緑子さんの専属恋人役になれるよう頑張りたいと思います」と笑顔で話し、会場を和ませました。

戦後という時代を演じることについては、「プレッシャーはもう感じまくってるんですけど、この時代を知らない年齢層の方もたくさん見に来られると思うので、その時代の空気感を芝居を通してちゃんと表現できる自分でいたいなと思っています」と真摯に語りました。

「涙と笑いと、勇気と愛情の物語」齋藤雅文さん（補綴・演出）

笠置シヅ子について、「何しろ笠置シヅ子という方は、あかんあかんって言われ続けてきたと思うんです。女がそれを言ったらあかん、結婚したら家に入らなあかん、そんな歌い方したらあかん、足上げたらあかん。それを全部乗り越えてきた。だから、涙と笑いと、たくさんある芝居になると思います。でも、とても勇気と愛情の物語だと思ってますので、豊かな音楽劇になることを確信しております」と作品への思いを語りました。

演出については、「昭和の話ですので、レトロな感じは大事にしたいと思います。でも、レトロで懐かしいんだけど、今の演劇としてふさわしいおしゃれな芝居になるといいなと思っています」と構想を明かしました。

＜公演概要＞

わが歌ブギウギ－笠置シヅ子物語－

会場 三越劇場

日程 2026年1月2日（金）～20日（火）

公式サイト　https://www.shochiku.co.jp/play/schedules/detail/mitsukoshi_2601/

★キャスト

笠置シヅ子 ： キムラ緑子

花森英介 ： 林翔太

生駒芙美子 ： 惣田紗莉渚

木暮五郎 ： 賀集利樹

早見秀高 ： 曽我廼家寛太郎

ラク町お葉 ： 一色采子

ユリー五十鈴 ： 桜花昇ぼる

服部良一 ： 松村雄基

青木玄徳　　妃那マリカ　合田くるみ　尾上菜摘　酒井果菜未

桂佑輔　　山本育子　千葉紅花　渡邊花鈴　藤森瑞生

◆スタッフ

作 ： 小野田勇

補綴・演出 齋藤雅文

美術 ： 平山正太郎

照明 ： 北内隆志

音楽 ： 服部隆之

音楽監修 塩谷翔

音響 ： 本間俊哉

振付 ： 前田清実

衣裳 ： 冨樫理英

ヘアメイク： 河村陽子

歌唱指導： 菅原さおり

舞台監督： 瀬尾健児

伊藤真

制作助手 中村恭子

協力 ： 亀井ヱイ子