魂がぶつかり合う! 熱い舞台『熱海殺人事件』稽古場レポート① プロデュース/出演、松村彩永さんインタビュー Part1

1973年に若きつかこうへいが発表し、翌年には最年少で岸田國士戯曲賞を受賞した不朽の名作「熱海殺人事件」が、4月30日から5月4日まで東京・新宿シアタートップスで上演されます。

錦織一清演出、松村彩永プロデュースで、木村伝兵衛役を宮原奨伍、熊田留吉役を渋谷天笑、水野朋子役を松村彩永、大山金太郎役を新井元輝が演じる話題の舞台。


その稽古場レポート第一弾は、プロデュース/出演の松永彩永さんのインタビューをお届けします。


松村彩永さん



Q/今回は出演のほかプロデュースも手掛けていますが?

A/プロデュースは2年ぶりですね。実は毎年のようにコンスタントにやっていて、初めては2016年、井上ひさしさんの『父と暮せば』が好きで、それがやりたくて始めました。その時は50人も入らないような小さな劇場で、演出が照明もやったり、制作が音響を担当したりするような状態でのスタートで。その舞台を観たスタッフさんたちが「力になりたい」と言ってくれて力を貸してくれるようになり、徐々に大きな規模になっていきました。

以前劇団新派にいたのですが、毎回プロデュース公演でお願いしているスタッフの方々は、私が新派にいた20歳の頃からのお付き合いで、退団してからも舞台を一緒につくってくれた方々です。今回、私のプロデュース作品の中では一番大きな規模になるのですが、同じメンバーでできることがとても嬉しいし、心強いです。

「熱海殺人事件」はずっとシアタートップスでやりたいと思っていたんですよ。客席と舞台の距離が近くて、声を張っても大きい音楽が流れてもちょうど良く感じて "芝居小屋" の空間、そんな劇場でこの作品を上演したいとずっと思っていました。やっぱり作品と劇場の雰囲気が合ってると気持ち良いですからね。でもこのシアタートップスはとても人気の劇場で、立ちたいと思ってもなかなか立てない場所なんです。実はいろいろとスケジュールが合わず他の劇場を考えたこともあったんですが、『好きな作品を、好きな人たちと、立ちたい劇場で、100%の力で取り組みたい』というのが私のプロデュースのコンセプトなんです。だから「ここで消極的になってしまったら私じゃない」と。当初の予定より1年遅くなりましたが、無事シアタートップスでの上演が決まって良かったです。企画始動から2年あったおかげで、心の準備も、公演の準備も丁寧にできましたし、この時期にしたからこそ出演者の皆さんにも出会うことができたので、今年にして大正解でした。実現して本当に嬉しいです。

Q/そもそも「熱海殺人事件」を上演しようと思ったきっかけは?

A/私がつかこうへいさんの作品を初めて知ったのは、桐朋学園芸術短期大学に通っていた頃、学園祭で上演した「飛龍伝」なんです。そこでオーディションを受け、神林美智子役を演じました。その時はまだ学生だったので、内容を完全に理解することはできなかったんですけど、それでも無我夢中でやり遂げたあの時間がとても楽しかったんです。

それ以来、次につか作品をやるなら、「つかさんといえば」と言われる方々と本格的に取り組んでみたいと思っていたのですが、具体的なきっかけがありませんでした。

10年以上その気持ちを持ち続けたまま、皆さんがやる「熱海殺人事件」を何度か観に行くようになって、「やっぱりやりたいな、でもつかさん関係の人に知り合いもいないし」といったところで留まっていたんです。

そして、2年前にニシキ(錦織一清)さんが演出を担当した三越劇場の「サラリーマンナイトフィーバー」に出演した際、私がいない飲み会の席で「熱海殺人事件」は誰が何役を演じたらハマるか、という話になり、ニシキさんが「水野役が似合う」と言ってくださっていたのを後日知りました。「もしもニシキさんに演出していただけるなら、すごいことじゃない!」と思いお伺いを立てたところ、「いいよ」と快諾していただきました。長い間、私の頭の隅っこにあった想いが突然大きな形になった、そんな感じです。


Q/ゴールデンウィーク真っ只中の興行になりますが、それについては?

A/私もゴールデンウィークにやるのは初めてなんです。確かに、連休中はみんな出かけちゃうからお客さんが入らないと言われることもありますが、結構皆さんやってますよね。私はお芝居って皆さんがお休みのときに見に来てもらう、それが私たちの役割というか、演劇や娯楽というのはそういうものだと思っています。もちろん毎年ゴールデンウィークに予定がある方もいらっしゃるかもしれませんが、それはどの時期でも同じことですから。私は、ゴールデンウィークという長期のお休み期間中に公演を行えるのは役者冥利であり、とても良いタイミングだと思っています。


Part2に続きます>


舞台「熱海殺人事件」公演概要


『熱海殺人事件』

作・つかこうへい 演出・錦織一清

●出演

木村伝兵衛 役 / 宮原奨伍 

熊田留吉 役 / 渋谷天笑

水野朋子 役 / 松村彩永 

大山金太郎 役 / 新井元輝


●あらすじ

部長刑事・木村伝兵衛(宮原奨伍)、富山から赴任してきた新任刑事の熊田留吉(渋谷天笑)、そして婦人警官の水野朋子(松村彩永)が、熱海で起きた殺人事件を捜査していく中で容疑者・大山金太郎(新井元輝)を取り調べ "一流の" 犯人として仕立て上げていくーー。


●公演スケジュール

2025年4月30日(水)〜 5月4日(日)

4月30日(水)14:00/19:00

5月1日(木) 14:00/19:00*

5月2日(金) ー/19:00

5月3日(土) 14:00/19:00*

5月4日(日) 15:00

*=公演後アフタートークあり


●場所

新宿シアタートップス

〒160-0022 新宿区新宿 3-20-8 WaMall TOPS HOUSE ビル4F


●チケット購入ページ(CoRich)

https://ticket.corich.jp/apply/353624/

●公式ホームページ

uc-atami2025.info  


<錦織一清演出×松村彩永プロデュース『熱海殺人事件』2025年4/30〜5/4 特集ページ>

Part1 https://tokyofun.themedia.jp/posts/56708464

Part2  https://tokyofun.themedia.jp/posts/56708524

Part3  https://tokyofun.themedia.jp/posts/56713530

東京FUNコンシェルジュ   Scopri Tokyo

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